NIHO kamakura · Roasting for beginners
はじめての
R2焙煎
NIHOで生豆を買って、自分で焼いてみたい。でも──
「焙煎機って、なんだか難しそう」
「どのボタンを、いつ押せばいいの?」
「失敗したらどうしよう…」
大丈夫です。NIHOの焙煎機「Sandbox Smart R2」は、スマホのアプリで焼き方を選ぶと、あとは自動で焼いてくれる焙煎機。人がやることは、豆を入れて、音を聞いてボタンを押して、焼けた豆を取り出すことくらいです。
この記事では、1回目を焼いて、おいしく飲むまでを順番に紹介します☕
焙煎って、なにをしているの?
コーヒーの生豆は、薄い緑色をしています。においをかぐと、コーヒーというより草に近い香り。これに熱を加えていくと、水分が抜けて色が変わり、あの香ばしいコーヒーの香りが生まれてきます。これが焙煎です。
焙煎中は、見た目・におい・音がこんなふうに変わっていきます。
| 段階 | 見た目 | におい | 音 |
|---|---|---|---|
| はじめ | 緑色 | 青い草 | ドラムが回る音だけ |
| 黄色くなる | 黄色〜うすい茶色 | 干し草、パンやクッキー | まだ静か |
| 1ハゼ | 茶色。豆がふくらむ | 香ばしく、甘い | 「パチッ、パチッ」と大きめ |
| 2ハゼ | こげ茶。表面につや | スモーキー | 「チチチッ」と細かい。煙が増える |
「ハゼ」は、豆が熱でふくらんで、はじける音のこと。1回目のハゼ(1ハゼ)と、2回目のハゼ(2ハゼ)があります。どこで焙煎を止めるかで、味が変わります。
ここだけ覚えて
- 浅く焼くと、すっきりした酸味と華やかな香り
- 深く焼くと、苦味とコク
- その間の中煎りは、酸味と甘さのバランス型
R2ってどんな焙煎機?
NIHOにある「Sandbox Smart R2」は、台湾のSandbox Smart社の家庭用焙煎機です。スマホのアプリとBluetoothでつながり、火力やファン、時間の組み合わせ(「曲線」や「プロファイル」と呼びます)を選ぶと、そのとおりに自動で焼いてくれます。
人がやるのは、この3つだけ
- 1回に焼ける量は200〜550g。はじめては200gか300gがおすすめ
- 前面に窓があって、豆の色が変わっていく様子を見られます
- 焼く前に8〜10分の予熱があり、焙煎そのものは10〜18分くらい(曲線と量で変わります)
焼く前に決めること
① どのくらい焼く?(焙煎度)
- 止めどき
- 1ハゼの途中〜終わり頃
- 味
- すっきりした酸味、フルーティ
- 飲み方
- ブラックでハンドドリップ
- 止めどき
- 1ハゼの後〜2ハゼの手前
- 味
- 酸味と甘さのバランス
- 飲み方
- 毎日の一杯に
- 止めどき
- 2ハゼに入ってから
- 味
- 苦味とコク、香ばしさ
- 飲み方
- ミルク、カフェオレ、アイス
はじめての1回は中煎りがおすすめです。極端な味になりにくく、豆の個性もわかりやすいからです。深煎りは煙が多く、R2の深煎りの設定では思ったより浅めに仕上がることもあるので、何回か焼いて慣れてからにしましょう。
② 何グラム焼く?
R2のアプリには、豆の量ごと(200g、300g、400g…)に焼き方の設定が用意されています。量った豆のグラム数に合う設定を選べばOK。はじめては200gか300gにしておくと、扱いやすく、煙も少なめです。
③ どの豆を焼く?
NIHOで買える生豆から、まずは1種類を選びましょう。豆によって焼け方が少しずつ違うので、同じ豆で何回か焼くと、違いがわかりやすくなります。
準備するもの
持ちもの
- 生豆(キッチンスケールで量っておく)
- スマホ(アプリを入れて、Bluetoothをオン)
- ミトン(焼けた豆のトレーは熱い)
- ざるか平たい容器(冷ますため。うちわや扇風機があると◎)
- 保存用の袋か容器
- メモ(日付・豆・量・曲線を書く)
焼く前のチェック
- チャフ受け(薄皮がたまるところ)が空になっている
- 換気扇をつけた、窓を開けた
- 延長コードを使わず、壁のコンセントに直接つないでいる
- まわりに燃えやすいものを置いていない
- 焼き終わるまで、そばにいられる
豆をざっと見ておこう(ハンドピック)
生豆を広げて、黒い豆、割れた豆、虫に食われた豆、小石などがあれば取り除きます。数分で終わる作業ですが、こうした豆が混ざると味が落ちるので、ひと手間かけるのがおすすめです。
焼いてみよう
いよいよ焙煎です。予熱から焼き上がりまで、30分くらい見ておきましょう。
電源を入れて、アプリとつなぐ
本体の電源を入れ、アプリでR2と接続します。
焼き方(曲線)を選ぶ
豆の量と焙煎度に合うものを選びます。はじめては「量が合っていて、中煎り」のものを。
予熱をスタート
アプリで「焙煎開始」を押し、本体のスイッチを押すと予熱が始まります。8〜10分くらいかかるので、そのあいだに豆を手元に用意しておきます。
アラームが鳴ったら、3分以内に豆を入れる
予熱が終わるとアラームが鳴ります。3分以内に入れないと止まってしまうので注意。生豆の投入口を開けて、一気に流し込まず少しずつ入れます(豆が詰まらないように)。入れたら、アプリで「確認」を押します。
見守る
窓から色の変化を、鼻でにおいの変化を感じてみましょう。緑 → 黄色 → 茶色。焙煎中は機械のそばを離れないでください。
「パチッ」が3回くらい続いたら、1ハゼボタン
1ハゼが近づくと、アプリが知らせてくれることもあります。音が聞こえ始めて、3回くらい続いたらアプリの1ハゼボタンを押します。ここから焼き上がりまでのカウントダウンが始まります。
深煎りなら、2ハゼボタンも
深煎りの曲線では、1ハゼのボタンの後に2ハゼのボタンが出ます。細かい「チチチッ」が聞こえたら押します。
焼き上がったら、すぐ取り出して冷ます
終わったらミトンをつけてトレーを引き出し、豆をすぐにざるへ広げます。ざるを振ったり、扇風機で風を当てたりして、一気に冷まします。
本体が冷めたら、チャフを掃除
コンセントを抜いて、本体とドラムが冷めてから、チャフ受けにたまった薄皮を捨てます。毎回かならずやりましょう。
アプリの画面やボタンの名前は、アプリの版によって少し違うことがあります。
ハゼの音を聞き分けよう
はじめての人がいちばん迷うのが、ハゼの音。でも、たいていの人は2回くらい焼くと慣れます。
パチッ
1ハゼ
ポップコーンのような、大きめの音。最初は「……パチッ……パチッ」と1粒ずつ、だんだん「パチパチッ」と続くようになります。豆の中の水蒸気が、豆を内側から割る音です。
チチチッ
2ハゼ
1ハゼが落ち着いてしばらくすると聞こえてくる、細かく小さい音。「チチチッ」「ピチピチ」という感じです。このころから煙が一気に増えます。
迷ったら
- 1ハゼのボタンは、はっきり聞こえた「パチッ」が3回くらい続いたところで押せばOK
- 毎回同じタイミングで押すと、焼き上がりがそろいやすい
- 音が聞こえにくいときは、窓の近くで耳をすませてみる
焼き上がったら
すぐに冷ます
取り出した後も、豆の中は熱いままで焙煎が進みます。4分くらいで手でさわれる温度になるのが目安。ざるで振るか、扇風機で風を当てましょう。
白っぽい豆を拾う
焼いても色がつかず、白っぽいままの豆が混ざっていることがあります。これは熟していない豆で、紙っぽい味や渋みのもと。見つけたら取り除きます。
重さを量ってメモ
焼く前より軽くなっています。中煎りなら15%前後軽くなるのが目安です(250gの生豆なら、210gくらい)。
袋に入れる
焼いた豆からはしばらくガスが出るので、一方向バルブ付きの袋か、密閉できる容器に入れます。
いつから飲める? 保存は?
焼いた当日も飲めますが、ガスがたくさん出ていて、味がまだ落ち着いていません。少し待つと、ぐっとおいしくなります。
保存のコツ
- 光・熱・湿気が苦手。袋や容器に入れて、涼しくて暗い場所へ
- 常温で2〜4週間くらいがおいしく飲める目安
- たくさん焼いたときは、小分けにして冷凍。解凍したら再冷凍しない
- 冷凍から出したら、袋を開けずに室温に戻してから使う(水滴がつかないように)
安全のためのお約束
NIHOはみんなで使う場所。安全に、気持ちよく焼きましょう🙏
焙煎中は離れない
焙煎中は、機械のそばにいてください。何かあったら、アプリで止められます。
チャフは毎回掃除
たまった薄皮は、くすぶりや発火のもとになります。本体が冷めてから捨てます。
延長コードは使わない
壁のコンセントに直接つなぎます。同じコンセントまわりで電子レンジやケトルを同時に使うのも避けましょう。
換気をする
換気扇と窓で空気を入れ替えます。深煎りは煙が多く、煙で火災警報器が鳴ることもあります。
熱いところに注意
焼き終わりのトレーや本体は熱くなっています。ミトンを使いましょう。
スマホは近くに
Bluetoothの接続が切れると、安全のため止まります。1回の焙煎は20分で自動的に止まる仕組みもあります。
はじめての人のよくある質問
はじめ
どの焼き方(曲線)を選べばいいの?
量った豆のグラム数に合うものを選んでね。はじめてなら中煎りがおすすめだよ。 くわしくは「焼く前に決めること」へ →
深煎りまめ
はじめ
ハゼの音がよくわからない…
最初はみんなそうだよ。窓から色も見ながら、「パチッ」が何回か続いたら押してみよう。2回くらい焼くと慣れる人が多いよ。 くわしくは「ハゼの音を聞き分けよう」へ →
深煎りまめ
はじめ
1ハゼボタンを押し忘れちゃった!
気づいたらすぐ押そう。押すのが遅れたぶん、深めに焼き上がるよ。押さないままだと焼きすぎて、20分で自動的に止まるまで続いちゃうから気をつけてね。
深煎りまめ
はじめ
予熱が終わったのに、豆の準備ができてない!
予熱の終わりから3分以内に入れないと止まっちゃうから、豆は予熱中に量っておこう。止まってしまったら、予熱からやり直せば大丈夫。
深煎りまめ
はじめ
煙がすごいけど、大丈夫?
2ハゼに入る深煎りほど煙は増えるから、ふつうのことだよ。換気扇と窓で空気を入れ替えて、焙煎中は離れずに見ていてね。 くわしくは「安全のためのお約束」へ →
深煎りまめ
はじめ
思ったより浅い(深い)色に焼けた
次は一段深い(浅い)焼き方を選んでみよう。1ハゼボタンを押すタイミングを毎回そろえるのも大事。慣れてきたら、中級編で細かく調整できるよ。 くわしくは「中級編」へ →
深煎りまめ
はじめ
焼いたその日に飲んでもいい?
飲めるけど、まだガスが多くて味が落ち着いていないんだ。中煎りなら5日くらい待つと、ぐっとおいしくなるよ。 くわしくは「いつから飲める?」へ →
深煎りまめ
はじめ
続けて2回焼いてもいい?
大丈夫。ただ、2回目は本体が温まっていて、1回目より速く進むよ。1ハゼの音を早めに意識しておこう。
深煎りまめ
はじめ
焼いた豆は、どれくらいもつの?
常温なら2〜4週間くらいがおいしい目安。それより長く置くなら、小分けにして冷凍しよう。
深煎りまめ
はじめ
焼いた豆に、白っぽい豆が混ざってる
熟していない豆で、焼いても色がつかないんだ。味を落とすから、見つけたら取り除こう。
深煎りまめ
慣れてきたら
何回か焼いて、「今度はもっと酸味を出したい」「深煎りをきわめたい」と思ったら、中級編へどうぞ。豆の中で起きていることや、火力・ファンの使い方、R2でよくある困りごとの対処をまとめています。
Appendix
付録
付録A記録メモのつけ方
焼くたびに1行メモを残しておくと、「前回より深くしたい」「あの回の味がよかった」を再現できるようになります。最初はこれだけで十分です。
| 日付 | 豆 | 量 | 曲線 | 1ハゼ | 焼き上がり | 焼いた後の重さ | 味のメモ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 例 9/20 | エチオピア | 250g | 中煎り 250g用 | 9:40 | 12:00 | 212g | 6日目。甘くておいしい。次はもう少し浅く |
重さの減り方や、1ハゼから焼き上がりまでの時間の割合は、中級編の計算ツールで出せます。
付録Bはじめての焙煎ことば
- 生豆(なままめ)
- 焙煎する前の、緑色のコーヒー豆。
- 焙煎度
- どのくらい焼いたか。浅煎り・中煎り・深煎りなど。
- 予熱
- 豆を入れる前に、焙煎機を温めておくこと。R2は8〜10分くらい。
- 曲線(プロファイル)
- 火力・ファン・時間の組み合わせ。アプリで選ぶ「焼き方の設定」。
- 黄変
- 水分が抜けて、豆が黄色っぽくなること。
- 1ハゼ
- 豆が「パチッ」とはじける1回目の音。浅煎り〜中煎りの目印。
- 2ハゼ
- 1ハゼの後に聞こえる、細かい「チチチッ」という音。深煎りの目印。
- チャフ
- 生豆の薄皮。焙煎中にはがれて、チャフ受けにたまる。
- ハンドピック
- 黒い豆や割れた豆などを、手で取り除くこと。
- ガス抜き
- 焼いた豆から二酸化炭素が抜けて、味が落ち着くまで待つこと。