このページは旧版(アーカイブ)です。いまの最新は R2 焙煎ガイド(初級編・中級編)です。出典の一覧と記録シートは、このページにあります。

Sandbox Smart R2 · Intermediate

R2で、
おいしく焼く。

30回ほど焼いて基本操作に慣れた人向けの中級編です。豆の中で何が起きているかを知り、R2の火力・ファン・時間を意図して動かせるようになることを目指します。

2026年9月18日 調査・作成 日本語・英語の資料と YouTube 動画をもとに整理 はじめての人向け「初級編」→ やさしく読める「よみもの版」→ よくある疑問 → 参考画像集 →
情報の確かさ 公式メーカーの説明書・FAQ・告知 経験者R2ユーザーのブログ・動画 一般論焙煎全般の知識(R2専用ではない) 推測資料から組み立てた考え・提案
PRINCIPLES原理を知る

What happens inside

焙煎で、豆の中に起きること

焙煎は「豆を温める」だけではなく、温度に応じて反応が順番に切り替わっていく作業です。どの反応をどれだけ進めたところで止めるかで、味が決まります。

焙煎中の豆の温度と上昇率、段階ごとに起きる反応の概念図 乾燥 メイラード反応 発達 深煎りなら 80120160200240 豆温 ℃ 0102030 02468101214 経過時間(分)— 一般的な小型ドラム焙煎の例。R2の表示温度はこれより低めに出ます 上昇率(RoR, ℃/分) なめらかに下がり続けるのが理想 豆の温度 転換点 黄変 約150℃ 1ハゼ 約196℃ 中煎りで排出 2ハゼ 約224℃ このとき豆の中で起きていること 水分の蒸発(10〜12% → ほぼ0へ) メイラード反応:褐色・香り・ボディのもと カラメル化:ショ糖が分解し甘い香り → 進むと苦味 クロロゲン酸・有機酸の分解:酸味が減り、苦味成分へ 熱分解・油がにじむ(2ハゼ以降)→

図は横にスクロールできます →

温度は一般的な豆温度の目安です。センサーの位置で表示は大きく変わり、R2の表示では1ハゼが175〜185℃前後になることが多いと公式FAQにあります。一般論 公式

乾燥 〜約150℃

生豆に10〜12%ある水分が抜けていく段階。熱の多くが水の蒸発に使われます。緑色から黄色へ、青草の匂いがパンやクッキーのような匂いに変わったら「黄変」。

メイラード反応 約150℃〜1ハゼ

アミノ酸と糖が反応して、茶色の色素(メラノイジン=色とボディ)と数百種類の香り成分が生まれます。170℃前後からショ糖のカラメル化、165℃前後からクロロゲン酸の分解も始まります。

発達 1ハゼ〜排出

クエン酸・リンゴ酸が減り、甘さとボディが育つ区間。焙煎度はほぼここで決まります。1ハゼ後の秒数が同じでも、ここに入るときの勢い(上昇率)で仕上がりが変わります。

2ハゼ以降 約224℃〜

細胞壁が壊れ、油が表面ににじみ、熱分解(ピロリシス)で煙っぽさと強い苦味が出てきます。産地の個性は焙煎由来の香りに置き換わっていきます。

苦味は2種類ある

浅煎り〜中煎りの穏やかな苦味は、クロロゲン酸が変化した「クロロゲン酸ラクトン」が主役。さらに焼くとこれが「フェニルインダン」に分解され、深煎り特有の刺すような、後に残る苦味になります。深煎りでも2ハゼに入ってからの秒数を短くすると、苦味の質がやわらぎます。一般論

First & second crack

1ハゼと2ハゼで、何が割れているのか

H₂O + CO₂

1ハゼ

何が起きる
豆の中にこもった水蒸気とCO₂の圧力で、組織が内側から割れる
ポップコーンに似た大きめの「パチッ」
温度
豆温で約196℃。R2の表示では175〜185℃前後が多い
見た目
体積が大きく膨らみ(最大約1.8倍)、センターカットが開く

1ハゼの前後で反応が熱を出す側に転じる、という説明をよく見かけます。ただしこれには専門家の間でも異論があり、決着していません。一般論

油・煙

2ハゼ

何が起きる
細胞壁(セルロース)そのものが壊れ、油が表面へ。熱分解が進む
細かく小さい「ピチピチ」。1ハゼより高く、速い
温度
豆温で約224℃(機種で幅が大きい)
見た目
煙が一気に増え、表面につやが出始める

公式マニュアルも、1ハゼを「ポップコーンの弾ける音」、2ハゼを「それより細かく小さい音」と説明しています。公式

Roast degree & taste

焙煎度が進むと、味はこう動く

酸味は下がり続け、甘みは中間で山を作り、ボディは深くなるほど増えて頭打ちになり、苦味は2ハゼの後に急に増えます。「どこで止めるか」で味の大枠が決まり、「どう辿り着くか」で細部が変わると考えると整理しやすくなります。

焙煎度ごとの酸味・甘み・ボディ・苦味・産地の個性の強さの概念図 1ハゼ 2ハゼ 強い 弱い ライトシナモンミディアムハイシティフルシティフレンチイタリアン

図は横にスクロールできます →

業界でよく語られる傾向をもとに描いた概念図で、測定値ではありません。甘みのピークの位置は豆や焼き方で前後します。実験研究では、同じ焙煎度でもメイラード段階が短いほど酸味・甘み・フルーティさが出やすいという結果が出ています。一般論

日本の8段階と、ハゼとの位置関係

ライトLIGHT
1ハゼ直前〜始まり
重量減 〜11%
穀物っぽさと強い酸味。未発達になりやすい
シナモンCINNAMON
1ハゼの最中
重量減 11〜12%
酸味が主役。軽く、香りは青さが残ることも
ミディアムMEDIUM
1ハゼの終わり頃
重量減 12〜13%
華やかな酸味と香り。甘みが出始める
ハイHIGH
1ハゼ後〜2ハゼ前
重量減 13〜15%
酸味と甘みのバランスが取りやすい
シティCITY
2ハゼ直前〜始まり
重量減 15〜16%
甘みとコク。酸味はおだやかに
フルシティFULL CITY
2ハゼのピーク前後
重量減 16〜18%
コクと心地よい苦味、チョコのような質感
フレンチFRENCH
2ハゼ終盤
重量減 18〜20%
しっかりした苦味とスモーキーさ。油が浮く
イタリアンITALIAN
2ハゼ後さらに
重量減 20%〜
強い苦味と焦げ香。個性はほぼ消える

段階名の定義は店によって揺れがあります。重量減少率の目安(浅煎り11〜13%/中煎り15〜18%/深煎り18%超)を段階に割り振ったもので、あくまで目安です。一般論

Design your cup

好みの味から、焼き方を逆算する

中級編で一番大事なのは、「どんな味にしたいか」を先に決めてから、焙煎度と時間配分を選ぶことです。まず次の3つの物差しを覚えておくと、焙煎の記録が読めるようになります。

DTR

発達時間の割合

1ハゼから排出までの時間 ÷ 総焙煎時間。よく言われる目安は20〜25%。浅煎りは低め、深煎りは高めになります。ただし「DTRだけで排出を決めない。色と音で決める」とも言われます。一般論

RoR

温度の上昇率

1分あたり何℃上がっているか。最後までなめらかに下がり続けるのが理想。1ハゼ付近で急に落ちる「クラッシュ」は、平板で紙っぽい「焼けた」味(ベイクド)の原因になります。一般論

Weight loss

重量減少率

(生豆 − 焙煎後) ÷ 生豆。家庭で測れる焙煎度の物差しとして一番確実です。浅煎り11〜13%、中煎り15〜18%、深煎り18%〜が目安。一般論

1ハゼ 理想:なめらかに下降
1ハゼ クラッシュ:平板・紙っぽい
1ハゼ フリック:灰っぽい後味
上昇率(縦軸)の形の比べ方。R2でクラッシュが起きやすいのは、1ハゼボタンを押した瞬間に曲線が「1ハゼ後の設定」(火力を下げ、ファンを上げる)へ一気に切り替わるとき、という指摘が英語のレビュー動画にあります。一般論 動画
目指す味焙煎度R2でやることありがちな失敗と直し方
明るい酸味
華やかな香り
ミディアム〜ハイ
DTR 15〜20%
予熱と序盤の火力をしっかり入れて、全体を締める。1ハゼの前で火力を落としすぎない酸っぱい・青臭い=発達不足 → 1ハゼ後を+15〜30秒
甘さ
まろやかさ
ハイ〜シティ
DTR 20〜25%
1ハゼの手前から火力を段階的に下げ、上昇率をなめらかに落とす。1ハゼで急に落とさない平板・甘さがない=ベイクド → 中盤で失速させない、量を減らす
しっかりしたコク
チョコ感
シティ〜フルシティ
DTR 22〜27%
1ハゼ後の時間を長めに。2ハゼの入口〜序盤で止める。ファンは上げ気味苦い・焦げ臭い → 2ハゼに入ったら10〜20秒以内で止める
苦味と香ばしさ
ミルク・アイス向け
フルシティ〜フレンチ2ハゼボタンの後は短く(公式目安20秒以内)。ファンを強めて煙を逃がす灰っぽい・煙臭い → ファンを上げる、チャフを毎回掃除

DTRの幅は一般的な目安を焙煎度に割り振ったものです。一般論 推測

上達を早くする4つの習慣

  • 1回に変えるのは1か所だけ。火力とファンを同時に変えると、何が効いたか分からなくなります。
  • 同じ豆で比べる。1種類の豆を2〜3kg確保して、条件違いを並べて飲むのが近道です。
  • 休ませてから評価する。浅煎り7〜14日、中煎り5〜10日、深煎り3〜5日あたりから飲み頃と言われます(焼いた後)。一般論
  • 数字と味を1行に残す。下の記録シート計算ツールを使ってください。

Green beans

生豆で変わる焼き方

同じ曲線でも、豆が変われば別の焙煎になります。焼く前に精製方法・硬さ(密度)・大きさ・水分を確認し、曲線の「どこを変えるか」の見当をつけます。

豆のタイプ性質R2での焼き方の考え方
ウォッシュト
高地産の硬い豆
密度が高く、熱が芯まで入りにくい。標高1,370m以上のSHB・SHGなどに多い予熱と序盤の火力をしっかり入れる。1ハゼ後の時間も確保する
低地産
柔らかい豆
熱が入りやすく、進みが速い火力は控えめに。早め早めに判断する
ナチュラル
ハニー
果肉由来の糖が多く、早く色づく。チャフと煙が多く、焦げやすい序盤の火力は控えめに。色が先に進むので、色だけで止めない。チャフ掃除を念入りに
アナエロビック
など発酵系
発酵で細胞壁が弱く、熱に敏感全体に穏やかに。表面の焦げに注意
デカフェ処理で組織が壊れていて、1ハゼ後の進みが速い。生豆から茶色っぽく、色で判断しにくい。ハゼの音が弱いか聞こえないことも時間・表示温度・香りで判断する。1ハゼ後は短めに
ピーベリー小さく丸い豆。転がり方と熱の入り方が違う予熱をやや高めに(海外の目安で+3〜6℃)。深煎りは避け、早めに排出

一般論 R2で個別に検証された対応ではありません。最初は公式曲線で1回焼き、記録を見てから直してください。

水分と大きさ

  • 生豆の水分は10〜12%が標準(SCA)。多いとムラや生焼け、少ないと急に焦げやすい。
  • 大きさ(スクリーン15〜18)が混ざると、小粒が焦げて大粒が生焼けになる。
  • ブレンドは豆ごとに焼いてから混ぜると、それぞれに合った焼き方ができる。

一般論

生豆の保存

  • 冷暗所、湿度60%以下が目安。
  • おいしく焼けるのは入荷から6〜12か月。1年を超えた豆(パストクロップ)は、平板で木のような味になりやすい。
  • 古い豆ほど水分が抜けて速く進むので、同じ曲線でも少し早めに見る。

一般論

ハンドピック(欠点豆を抜く)

焼く前に抜く

黒い豆、発酵した豆(サワー)、虫食い、割れ・欠け、未熟豆、石や枝。SCAの基準では、黒豆・発酵豆・石などの重大な欠点は350g中に1つあるだけでスペシャルティ失格になるほど、味への影響が大きいものです。一般論

焼いた後に抜く:クエーカー

未熟で糖が足りず、焼いても色づかずに白っぽく残る豆。紙っぽさ・穀物っぽさ・渋みの原因になります。生豆の状態では見分けにくいので、焼いた後に淡い豆を拾うのが実際的です。一般論

OPERATE R2R2を操る

Settings

R2の設定と、その効き方

R2で動かせるのは、火力・ファン・(アプリによっては)ドラム回転、予熱温度、曲線の時間配分、そして投入量です。どれも「豆に熱が入る速さ」を変えるつまみで、効き方の強さと副作用が違います。

火力

0〜100%(資料により上限95%)

豆に入る熱の量。上昇率を決める主役です。

上げる温度が速く上がり、全体が短くなる。酸味と明るさが残りやすい。序盤に強すぎると表面の焦げ、終盤に強すぎると苦味と煙
下げるゆっくり進み、まろやかに。下げすぎると失速して、平板な「焼けた」味(ベイクド)に

R2の経験者は、予熱180〜200℃・序盤は火力80%前後から始めるのが定番。経験者

ファン(排気)

0〜100%

煙とチャフを外へ出す役。熱も一緒に逃がします。

上げる煙臭さ・雑味が減る。ドラムが冷えて上昇率が下がる。上げすぎると香りまで抜け、失速しやすい
下げる熱がこもって速く進む。下げすぎるとスモーキー、チャフの焦げ臭さが残る

R2のファンは主に排気の役で、熱を運ぶ主役ではないという声。段階ごとに上げていくのが基本です(使いどき)。経験者

ドラム回転

仕様は90rpm・手動で調整できる

豆の転がり方を決めます。ちょうどいい速さがあり、速いほど良いわけではありません。

速すぎ遠心力で豆が壁に張りつき、転がらなくなる。壁に触れっぱなしで焦げ・ムラが出る
遅すぎ豆が底にたまり、熱いドラムに触れる時間が長くなって焦げ・ムラが出る

焙煎中に手動モードから火力・ファンと並んで調整できます。既定の90rpmは、小型機の一般的な目安(1〜2kg機で70〜80rpm)とも近い値。基本は既定のままにして、変えるのは焦げ跡やムラが出たときだけです。使いどき公式 一般論

予熱温度

公式 180〜220℃・8〜10分

投入直後の勢い=乾燥段階の速さを決めます。

上げる序盤が速く、全体が短く明るい味に。高すぎると表面や縁の焦げ
下げる序盤がゆっくり。下げすぎると全体が間延びして平板に

予熱完了から3分以内に投入しないと自動停止します。アラームが鳴ったらすぐ入れられるよう準備しておく。公式

1ハゼ後の時間

曲線の設定・公式目安180秒以内

焙煎度を決める一番直接的なつまみ。ボタンを押してから終了までの秒数です。

延ばす深くなる。酸味が減り、ボディと苦味が増える
縮める明るくなる。縮めすぎると酸っぱい・青臭い

浅すぎ・焼きすぎのときは「次回この時間を調整する」のが公式の案内です。公式

投入量

公式 200〜550g

量が多いほど、同じ火力でも温まりにくくなります。

増やす上昇が鈍く、表示温度も低めに出る。2ハゼに届きにくい
減らす速く進み、操作への反応が敏感になる

550gでは受け皿から豆があふれた例があり、実用上限は400g前後という声。300gで1ハゼが160℃台の表示になった例も。経験者 動画

ファンとドラム回転の使いどき

火力が「アクセル」なら、ファンは段階ごとに上げていく排気と、微調整のブレーキ。ドラム回転は基本は既定のまま、困ったときだけ触るつまみです。

段階ファンねらい
投入〜黄変(乾燥)低め(R2ユーザーの例で30%前後)。ゼロにはしない熱をためつつ、湯気は外へ逃がす
黄変〜1ハゼ少しずつ上げる(例:30% → 40%)チャフがはがれ、煙が出始めるので外へ出す
1ハゼの後しっかり上げる(公式の目安60%以上)煙を出しつつ、上昇率をなめらかに落とす
2ハゼの後最大近く(公式の目安90%以上)一気に増える煙を出す

アプリは1ハゼ・2ハゼまわりのファンを低く設定しても、安全のため自動で引き上げます(例:2ハゼの設定で30%にすると55%に補正)。公式 経験者 一般論

ファンで微調整する

  • 1ハゼの前に上昇率が速すぎる → 火力を大きく下げる前に、ファンを5〜10%上げてみる
  • 失速しそう・温度が伸びない → ファンを少し下げる(1ハゼ後の下限はアプリが守る)
  • 煙臭い・スモーキー → ファンを上げる
  • 香りが弱い → ファンを少し下げる

一般論 推測

ドラム回転を触るとき

  • 焼いた豆の平らな面に黒い焦げ跡、または色ムラが出た → まず予熱か序盤の火力を下げる。それでも出るなら、前面の窓から豆の動きを見る
  • 豆が底でもたついて、あまり転がっていない → 少し上げる
  • 豆が壁に張りついたまま回っている → 下げる
  • 量を大きく変えた日は、窓から転がり方を確かめる
  • 変えるときは少しずつ。1回の焙煎の中では固定して、前回と比べる

一般論 推測

効き方の早見表

その設定を「上げた」とき、同じ焙煎度で止めた場合の傾向。 増える/ 減る/ 途中まで増えて減る/ ほぼ変わらない。一般論

上げる設定上昇率焙煎時間酸味・明るさ甘みボディ苦味・煙焦げの危険
火力▲▲
終盤なら
ファン▼▼
予熱温度
序盤
1ハゼ後の時間▼▼
投入量

公式が示す「1ハゼ後・2ハゼ後」の目安

公式マニュアルの入門編に、マイ曲線を作るときの失敗しにくい目安が載っています。1ハゼの後は火力を下げてファンを上げる、という考え方です。

時間火力ファン
1ハゼの後180秒以内50%以下60%以上
2ハゼの後20秒以内30%以下90%以上

出典は公式取扱説明書の入門編。別のユーザーブログには異なる上限・下限の数値も報告されていて、アプリの版で違う可能性があります。マイ曲線を保存するとき、1ハゼ・2ハゼ付近の火力とファンに安全上の上限・下限が自動でかかる仕様です(2021年8月の更新)。公式 経験者

モードの違い

  • 自動曲線:公式プリセット(量×浅・中・深)と、アドバンス/コンペティションなどの公式曲線。平均9〜13分の設計。公式
  • マイ曲線:公式曲線をもとに火力・ファン・時間を編集して保存。中級者の主戦場。
  • 焙煎中の手動調整:曲線の途中で火力・ファンに介入できる。公式
  • フル手動モード:2023年5月に追加。すべて自分で操作。公式は「慣れないうちは非推奨、機械から離れない」と注意。公式

手動ボタンをうっかり押すと、その回はプリセットに戻れなくなった場面が動画にあります。動画

表示温度の読み方

  • R2の温度は豆そのものの温度ではなく、周りの空気に近い値。数字より音と色で判断が基本。経験者
  • 1ハゼは表示で175〜185℃前後が多い(公式FAQ)。量が多いと160℃台で来ることも。公式 経験者
  • 190℃付近で「1ハゼが近い」通知が出る(2021年8月の更新)。公式
  • 温度センサーは20〜25回ごとに掃除。汚れると同じ曲線でも焼き色が濃くなっていく。経験者

連続で焼くと、2回目から速くなる

本体に熱がたまるため、同じ曲線でも1回目15分 → 2回目12分 → 3回目10分と速くなった例があります。2回目以降用に全体を1割ほど下げた曲線を用意する、3バッチ焼いたら一度しっかり冷ます、という運用がすすめられています。経験者 動画

アプリについて:2026年に無料の新アプリ「Sandbox Smart Pro」へ移行し、旧アプリのVIP(有料)機能とクラウド共有は終了しています(旧アプリのクラウド機能は2026年5月31日まで)。画面の名前や上限値は、お使いのアプリの版で確認してください。公式

Workflow

中級編の焙煎の流れ

  1. 準備

    チャフ受けと排気口を掃除(毎回。残ったチャフは発火の原因)。生豆を計量し、欠点豆を取り除く。慣れるまでは200〜300g。換気と電源を確認し、焼く前に「今日は何を確かめるか」を1つ決める。公式

  2. 曲線を選ぶ

    公式曲線をコピーしてマイ曲線に。連続で焼く日は、2回目以降用に1割下げた版も用意。

  3. 予熱と投入

    予熱8〜10分・180〜220℃。完了のアラームから3分以内に投入し、アプリで確認をタップ。一度に全部流し込まない(豆詰まり防止)。公式

  4. 乾燥〜黄変を観察

    のぞき窓と匂いで、青草 → 干し草 → パン・クッキーの変化を追う。黄変の時刻を記録。

  5. 1ハゼで押す

    「パチッ」が3回ほど続いたら1ハゼボタン。詳しくはこちら

  6. 発達を聞く

    カウントダウンを見ながら、音の減り方と色を確認。深煎りは2ハゼの音で2ハゼボタン。

  7. 排出と冷却

    終わったらすぐ取り出して広げ、4分以内に40℃を下回るくらいまで一気に冷ます。連続で焼くときは本体の冷却を止める選択もできる。公式 一般論

  8. 記録する

    色づかない淡い豆(クエーカー)を拾ってから重さを量り、重量減少率・DTRを計算ツールで出して記録シートへ。

  9. 休ませて、飲んで、1つ直す

    飲み頃まで待って評価し、次回変えることを1つだけ決める。

安全面:1回の焙煎は20分で自動停止。Bluetoothが一定時間切れると停止。屋外・湿気の多い場所・延長コードは避ける。公式

When to tap 1st crack

1ハゼボタンの押しどき

結論:鳴り始めで押す。「パチッ」が3回ほど続いた時点。

最初のまぐれの1粒ではなく、ピークでもない。毎回この基準にそろえることが一番大事です。

情報源言っていること
公式取扱説明書(日本語)第1クラック音が聞こえたらタップ。押すと焙煎終了のカウントが始まる公式
公式クラウドファンディングFAQ1ハゼの音が3回連続で聞こえたら押す。深煎り曲線では続けて2ハゼのボタンが出る公式
WAKO COFFEE(動画)メーカーに問い合わせたところ、プリセットは最初の一発目で押す前提で秒数が作られていた。連続し始めてから押す日本の感覚だと、ずれが出る動画
note の経験者1ハゼのピーク付近で押すのがベスト経験者
英語のレビュー動画押した瞬間に1ハゼ後の設定へ切り替わり、温度が急に落ちて平板な味になりやすい動画
焙煎全般1ハゼは点ではなく「ぽつぽつ → 連続 → 収まる」の段階。多くの焙煎士は連続し始めた時点を1ハゼ開始とする一般論

ピークまで待つと何が起きるか

ボタンを押した時点からカウントダウンが始まるので、遅く押すほど終了も遅れます。つまり「発達時間を延ばす」操作と同じです。深く焼きたい日の応急処置にはなりますが、押す基準が日によってぶれると、記録を比べられなくなります。

クラッシュを防ぐ小技

マイ曲線では、1ハゼの手前から火力を少しずつ下げておき、ボタンを押した瞬間の変化を小さくします。ボタンで一気に「火力50%以下・ファン60%以上」へ切り替わると、上昇率が急落しやすくなります。推測

Dark roast

深煎りで、2ハゼの前に終わってしまう

なぜ起きるか

1ハゼボタンを押すと、曲線に設定された「1ハゼ後の時間」でカウントダウンが始まり、ゼロで焙煎が終わります。R2のプリセットは上昇率を低めに抑えてじっくり焼く設計で、1ハゼ後の火力も弱め(公式目安で50%以下)。そのため豆や量によっては、2ハゼまで勢いが届く前に時間切れになります。深煎りプリセットで焼いてもシティ程度で止まった、という実例が動画にあります。公式 動画

計算してみると、1ハゼが10分なら1ハゼ後150秒はDTR約20%にあたり、中煎り向けの配分です。深煎りにはもともと短めと考えられます。推測

試す順番

まず

マイ曲線で「1ハゼ後の時間」を延ばす

深煎り曲線をコピーし、1ハゼ後の時間を長めに設定(公式の目安は180秒以内。上限近くの200秒前後に設定する経験者もいます)。2ハゼが来たら2ハゼボタンを押せば、そこから短いカウント(公式目安20秒以内)で終わります。時間は「余裕」として持っておき、終わりは2ハゼボタンで決める考え方です。公式 経験者

次に

1ハゼまでの勢いをつける

予熱温度と序盤の火力を上げ、1ハゼの手前で火力を落としすぎない。勢いを持って1ハゼに入るほど、2ハゼまでが短くなります。一般論 経験者

あわせて

量を減らす、強めの公式曲線を使う

深煎りは200〜300gが扱いやすい。300g以上だと上昇が鈍るという報告があります。プリセットの「深」より、アドバンス/コンペティション系の強めの曲線をもとにするのも手です。経験者

それでも

1ハゼ後に手動へ切り替える/フル手動で焼く

動画の実践者は、1ハゼの後に手動へ切り替えて火力を保ち、自分で2ハゼまで進めていました。フル手動なら終了も自分で決められます。ただし、手動に切り替えた後もカウントダウンが生きているかはアプリの版で確認してください。動画 推測

応急処置

1ハゼボタンを遅めに押す

効きますが、記録の基準がぶれます。やるなら「今日は遅く押した」と必ず記録に残す。経験者

終盤に温度が下がってくる場合は、Q&A「深煎りのとき、最後の方で温度が下がってくる」も見てください。1ハゼ以降に温度が伸びにくいのはR2の癖として報告されています。経験者

深煎りの安全

煙とチャフへの引火のおそれが増えます。換気扇や排気ダクトを用意し、焙煎中は機械から離れない。公式の説明では本体の最高温度は220℃で、220℃を超えると安全のため自動停止するというユーザーの証言があります(「221℃が30秒続くと停止」という細かい条件は、一次資料では確認できませんでした)。公式 経験者

Re-roast

浅すぎたときの焼き直し

焼き直しは救済としてはありです。ただし、一度で狙いどおりに焼いた豆と同じ味にはなりません。「捨てるよりまし、飲めるようにはなるが少し平板」というのが経験者の共通した感想です。経験者

1ハゼの前、または1ハゼの途中で終わった

→ 焼き直す価値あり

発達が足りないだけなので、足りない分を足せば飲める味に近づきます。

狙いの色まで行ったが、酸っぱい・青臭い

→ 焼き直さず、次回を直す

焼き直すと色だけ深くなって平板になりがち。次回、1ハゼ後の時間を延ばすか、序盤の火力を上げます。

2ハゼに入っている

→ 焼き直さない

焼き直しが成り立つのはハイローストまで、という考え方が一般的です。経験者

プリセットでやり直さない理由

曲線は、水分10〜12%の生豆を前提に時間配分されています。すでに乾いた豆は温度の上がり方が普段の約2倍速いという報告があり、曲線の時間と豆の状態がずれて一気に焼きすぎやすくなります。1ハゼがすでに済んでいれば、ボタンを押す基準もありません。経験者 推測

R2での進め方(提案)

  1. 完全に冷ましてから、日を空けすぎずに

    当日〜翌日が目安。資料によって「すぐ」「1〜2日休ませる」と意見が分かれます。一般論

  2. 量を確認する

    焼いた豆は軽くなっています。公式の最小量200gを下回るなら、同じ豆の別の回とまとめるなどして200g以上に。公式

  3. フル手動モードで、予熱は普段より低めに

    乾燥段階はほぼ不要なので、普段より低い予熱で入れ、火力は中くらい(1ハゼ後の公式目安50%前後)から、ファンは60%前後から始めて様子を見る。推測

  4. 終わりは色と音で決める

    狙いの焙煎度の見本豆を横に置いて比べる。途中で止まった1ハゼが再開したら、そこから秒数を数える。

  5. 早めに飲み切る

    焼き直した豆は日持ちしにくいと言われます。経験者

公式ブログに「フル手動モードは再焙煎できません」という一文があります。これはアプリの「同じ記録でもう一度焼く(Re-Roast)」機能がフル手動の記録には使えない、という意味だと考えられ、豆の焼き直しを禁じる説明ではないと読んでいます。公式 推測

上の予熱・火力・ファンの数値は資料からの提案で、R2で検証された値ではありません。最初は少量で試してください。

Safety & environment

NIHOで焼くときの安全と環境

NIHO kamakura は人が集まる共用の場所です。煙・におい・電源・火の扱いは、味と同じくらい大事な「段取り」です。

R2の基本仕様

消費電力
900W(AC100〜120V)
焙煎量
200〜550g
最高温度
240℃(瞬間)
ヒーター
石英管ヒーター4本
上昇率
最大 35℃/分
動作音
65dB
重さ
12kg

クラウドファンディングページの記載より。最高温度は、公式の説明ページに220℃・250℃という食い違う記載もあります。公式

電源

  • 延長コード・タコ足配線は使わない。公式
  • 日本の100Vでは、同じ回路に電子レンジやケトルがあると電圧が下がり、ヒーターの出力が落ちることがある。壁のコンセントに直接つなぎ、同じ回路の大きな家電と同時に使わない。一般論
  • 「今日はなぜか遅い」と感じたら、同じ回路で何が動いていたかも記録する。推測

煙とにおい

  • 深煎り、特に2ハゼ以降は煙とにおいが一気に増える。レンジフードと窓の開放を組み合わせて空気を入れ替える。一般論
  • 煙式の住宅用火災警報器が、焙煎の煙で鳴った例が報告されている。焼く場所と警報器の位置関係を事前に確認する。一般論
  • 深煎りは、換気しやすい時間帯や人の少ない時間に焼く。推測

火と片付け

  • チャフは毎回掃除。たまったチャフはくすぶりや発火の原因になる。公式
  • 焙煎中は機械から離れない。消火器の場所を確認しておく。一般論
  • 1回の焙煎は20分で自動停止。屋外や湿気の多い場所では使わない。公式

季節で変わる

室温が低い冬は予熱と昇温に時間がかかって焙煎時間が延び、夏は短くなります。季節で室温が10〜15℃変わると、同じ曲線では同じ焙煎になりにくいと言われます。記録には室温を必ず残し、冬用・夏用の曲線を分けるのも手です。湿度の影響は一筋縄ではなく、遅くなる場合も速くなる場合もあります。一般論

AFTER ROAST焼いた後

Cool, rest, store

冷まして、休ませて、保存する

すぐに冷ます

排出後も豆の中は熱く、余熱で焙煎が進みます。4分以内に40℃を下回るくらいが目安と言われ、冷えるのが遅いと甘さと香りが落ち、焼けた感じが出ます。R2のトレーから出したら、すぐにざるや冷却盤に広げて風を当てます。一般論

保存

  • 一方向バルブ付きの袋か、密閉できる遮光容器。光・熱・湿気を避ける。
  • 常温で2〜4週間が飲み頃の目安。
  • 長く持たせたいときは、小分けにして密閉し冷凍(3〜4か月)。一度解凍したら再冷凍しない。
  • 冷凍から出したら、結露しないよう袋を開けずに室温へ戻してから使う。

一般論

焙煎日7日14日21日28日
深煎り
中煎り
浅煎り
ガスが抜けるのを待つ飲み頃(常温で2〜4週間)
休ませる日数の目安:深煎り3〜5日、中煎り5〜10日、浅煎り7〜14日。深煎りほど組織がすかすかでガスが早く抜けます。バーの切れ目は各範囲の中ほどに置いた目安です。一般論

Cupping

カッピングで評価する

焙煎の違いを比べるには、淹れ方の差をなくすのが近道です。プロが使うカッピングは、家でも道具を揃えずにできます。

  1. 量る

    8.25gに対してお湯150ml(SCAの比率)。ペーパードリップより少し粗めに挽き、カップに入れて香りを嗅ぐ。

  2. 注いで4分待つ

    93℃前後のお湯を縁まで注ぎ、そのまま4分。

  3. クラストを崩す

    表面に浮いた粉の層をスプーンで3回ほどかき混ぜて崩し、立ち上る香りを嗅ぐ。

  4. すくい取る

    浮いた泡と粉をスプーン2本ですくって捨てる。

  5. 冷めながら何度もすする

    スプーンで勢いよくすする。熱いうちは香りとボディ、ぬるくなると酸味と甘さ、欠点がよく分かる。

一般論 SCAのカッピング手順をもとにした家庭向けの手順です。

比べ方のコツ

  • 同じ豆を条件違いで2〜3カップ並べる。
  • カップの底にラベルを貼り、誰かに並べ替えてもらってブラインドで飲む。
  • 味を言葉にするときはフレーバーホイールを横に置く。

見た目で確かめる

  • 豆を割って、中心(センターカット)の色と表面の色の差を見る。差が大きければ中まで火が通っていない。
  • 表面の油は深煎りの目安。浅煎りで表面にしわが残るなら発達不足を疑う。
  • 目で見た色は数値で測るより大きくずれるので、焙煎度は重量減少率と合わせて判断する。

一般論

FIX & RECORD困ったとき・記録

Troubleshooting

症状から直す

症状考えられる原因R2で次に変えること
酸っぱい・青臭い・穀物っぽい発達不足1ハゼ後の時間を+15〜30秒。序盤の火力を上げる。1ハゼボタンの押しどきを確認
平板・紙っぽい・甘さがないベイクド(中盤の失速、1ハゼでの上昇率の急落)予熱・序盤の火力を上げて全体を短く。1ハゼの前に火力を落としすぎない。量を減らす
苦い・焦げ臭い・灰っぽい焼きすぎ、終盤の火力が強すぎる、排気不足1ハゼ後の時間を短く。終盤の火力を下げる。ファンを上げる
煙っぽい・スモーキー排気不足、チャフの焦げファンを上げる。チャフ受けを毎回掃除
表面に黒い点・縁が焦げる序盤の火力が強すぎる(スコーチ・チッピング)予熱温度か序盤の火力を下げる
香りが弱いファンが強すぎて香りまで抜けているファンを少し下げる(煙臭さとの兼ね合いで)
色ムラがある豆の大きさ・密度がばらばら、量が多すぎるハンドピックでそろえる。量を減らす
同じ曲線なのに毎回違う連続焙煎で本体が熱い、センサーの汚れ、室温・電圧2回目以降は1割下げた曲線。センサー掃除。室温をメモ
深煎りの終盤で温度が下がる曲線による火力・ファンの切り替え、高温域での熱不足、R2の癖Q&Aを参照。2ハゼの前なら、1ハゼまでに勢いをつけ、量を減らす
深煎りが2ハゼ前に終わる1ハゼ後の時間が短い、勢い不足深煎りの壁を参照
浅く終わってしまった1ハゼ後の時間が短い、押すのが早すぎた焼き直しを参照

一般的なドラム焙煎の知識をR2の火力・ファン・時間に当てはめたもので、R2で個別に検証された表ではありません。一般論

Calculator

DTRと重量減少率の計算

1ハゼ後の時間
DTR
重量減少率
目標DTRにする1ハゼ後の時間

初期値は入力例です。焙煎度の判定は重量減少率の一般的な目安によるもので、豆の水分や種類で前後します。

Roast log

記録シート

1回の焙煎を1行で残します。「次回変えること」を必ず1つ書くのがコツです。

日付曲線予熱黄変1ハゼ
時刻/表示℃
2ハゼ終了DTR減少率室温・何回目味(休ませ日数)次回変えること
例 9/20エチオピア W250gマイ中浅 v2200℃4:509:40 / 181℃11:5018%14%24℃・1回目7日目。酸はきれい、少し軽い1ハゼ後+15秒
 
 

Glossary

用語集

転換点(TP)
投入直後に下がった豆の温度が、底を打って上がり始める点。
黄変(イエロー)
水分が抜けて豆が黄色くなる段階。乾燥の終わりの目印。
メイラード反応
アミノ酸と糖が熱で反応し、褐色の色と香りを生む反応。150℃を超えると活発になる。
カラメル化
糖そのものが熱で分解して色づき、甘い香りと、進むと苦味を生む反応。
1ハゼ・2ハゼ
豆が割れる音。1ハゼは内部の水蒸気とCO₂の圧力、2ハゼは細胞壁そのものの破壊。
発達(デベロップメント)
1ハゼから排出までの、味と香りが仕上がる時間帯。
RoR
Rate of Rise。1分(または30秒)あたりの豆の温度の上がり幅。
DTR
Development Time Ratio。1ハゼから排出までの時間 ÷ 総焙煎時間。20〜25%がよく言われる目安。
煎り止め
狙いの焙煎度で加熱を止め、冷却に移ること。
ベイクド
火力不足や上昇率の停滞・急落で、平板で紙っぽい味になった状態。
クラッシュ
1ハゼ付近で上昇率が急に落ちること。ベイクドの原因の一つ。
フリック
クラッシュの後に上昇率が跳ね上がること。灰っぽい後味につながる。
ストール
上昇率が下がりすぎて、温度がほとんど上がらなくなること。
スコーチング
ドラムに触れた面が焦げること。序盤の熱が強すぎるときに起きる。
チッピング
豆の先端や縁が黒く焦げること。
チャフ
生豆の薄皮(シルバースキン)。焙煎中にはがれて飛ぶ。
クエーカー
未熟豆が焼いても色づかずに白っぽく残ったもの。焼いた後に取り除く。
エイジング・ガス抜き
焙煎後にCO₂が抜けて味が落ち着くまでの期間。深煎りほど早い。
カッピング
決まった手順で淹れて、香りと味を比べる評価方法。
アグトロン
焙煎度を光で測って数値にしたもの。数字が大きいほど浅煎り。
SHB・SHG
標高の高い産地の、硬く密度の高い豆の格付け。
パストクロップ
収穫から1年ほど経った古い生豆。平板で木のような味になりやすい。
Q&Aよくある疑問

Questions & answers

よくある疑問

実際に焼いていて出てきた疑問への答えです。新しい疑問が出たら、ここに足していきます。

焼き方

浅すぎたとき、2度目の焙煎はあり? プリセットでもう一度焼いていい?

救済としてはあり。ただしプリセットでやり直さず、フル手動で「足りない分だけ」足す。

  • プリセットは生豆を前提にした時間配分。すでに乾いた豆は温まり方が普段の約2倍速いという報告があり、曲線とずれて焼きすぎやすい。経験者
  • 焼き直せるのは1ハゼの前〜途中で止まった豆まで。2ハゼに入った豆は焼き直さない。
  • 一度で焼いた豆よりは平板な味になりやすい。次回は曲線の「1ハゼ後の時間」を延ばして防ぐ(公式の案内)。公式
焼き直しの手順 →

1ハゼボタンは、鳴り始めで押す? 一番強いときに押す?

鳴り始め。「パチッ」が3回ほど続いた時点で押す。ピークまで待たない。

  • 公式FAQは「3回連続で聞こえたら押す」。公式
  • メーカーはプリセットの秒数を早めのタイミング前提で作っている、と問い合わせた焙煎士が動画で話している。動画
  • ピークで押すと、実質「発達時間を延ばす」操作になる。押す基準が日によってぶれると記録が比べられなくなる。
押しどきの比較表 →

深煎りにしたいのに、2ハゼの前に自動で終わってしまう

マイ曲線で「1ハゼ後の時間」を延ばし、2ハゼが来たら2ハゼボタンで締める。

  • 1ハゼボタンを押すと、曲線に設定された秒数のカウントダウンが始まり、ゼロで終わる。1ハゼが10分なら150秒はDTR約20%で、中煎り向けの配分。推測
  • あわせて、予熱と序盤の火力で勢いをつける、量を200〜300gに減らす。
  • それでも届かなければ、1ハゼ後に手動へ切り替えるか、フル手動で焼く。
試す順番 →

深煎りのとき、最後の方で温度が下がってくることがある

いつ下がり始めたかで意味が違う。2ハゼボタンの後なら仕様どおりで問題なし。2ハゼの前に下がるなら「失速」なので対策する。

考えられる原因

  • 曲線と安全制限による切り替え。2021年8月の更新で、1ハゼ・2ハゼまわりの火力とファンに安全上の制限がかかるようになった(例:2ハゼの設定でファンを30%にしても、自動で55%に補正される)。公式の目安も1ハゼ後は火力50%以下・ファン60%以上、2ハゼ後は火力30%以下・ファン90%以上。熱を減らして風を増やすので、表示温度は下がりやすい。公式
  • R2の癖。「1ハゼ以降に温度上昇が止まる。同じ機種の人に聞いても同じだった」という2年半使ったユーザーの報告がある。経験者
  • 高温側の上限。公式の説明では本体の最高温度は220℃。220℃を超えると安全のため自動停止する、上限付近でも2ハゼまで行かないことがある、というユーザーの証言もある。公式 経験者
  • 熱の入りより逃げが大きい。900W・100Vのヒーターに対して、量が多い・室温が低い・ファンが強い・同じ回路で電子レンジやケトルを使って電圧が下がっている、が重なると高温域で熱が足りなくなる。「たまに」起きるなら、この日ごとの条件の違いが怪しい。一般論 推測
  • 表示が先に下がっているだけのことも。R2の温度は周りの空気に近い値で、風が強まると表示が先に下がる。豆の中は急には冷えない。経験者
下がり始めたとき主な原因問題か
2ハゼボタンの直後曲線が火力を下げ、ファンを上げた問題なし。数十秒以内に終わる
1ハゼボタンの直後に急に1ハゼ後の設定へ一気に切り替わった要注意。平板な味(クラッシュ)の原因
1ハゼと2ハゼの間で、設定は変わっていないのに熱不足(量・室温・電源)、R2の癖問題。失速して、2ハゼ前に終わる原因にもなる

見分け方:アプリの焙煎履歴で、温度が下がり始めた時刻の火力・ファンの線と、ボタンを押した時刻を重ねて見る。

対処(2ハゼの前に下がる場合)

  • 1ハゼの手前で勢いを稼ぐ。1ハゼ以降は温度が伸びにくい機種なので、予熱と序盤の火力を上げ、高めの上昇率で1ハゼに入る。
  • 量を減らす。深煎りは200〜300g。
  • マイ曲線で1ハゼ後の設定を見直す。火力は制限の範囲で上限寄り、ファンは下限寄りに。1ハゼの手前から火力を段階的に下げておき、ボタンでの切り替えの落差を小さくする。
  • 電源と室温をそろえる。焙煎中は同じ回路の電子レンジ・ケトル・ドライヤーを使わない。壁のコンセントに直接つなぐ。冬は部屋を暖めるか冬用の曲線を使う。
  • 2ハゼボタンは音を確かめてから押す。早く押すほど早く火力が落ちる。
  • 表示が220℃近くまで上がっているのに2ハゼが来ないときは、上限に当たっている。安全機能なので無理に上げようとせず、量を減らすか、1ハゼまでの勢いで解決する。

原因の切り分けは資料からの推測を含みます。センサーの位置や種類は公式資料では確認できませんでした。

深煎りの壁 →

プリセットの「浅煎り」「深煎り」が、名前どおりの焙煎度にならない

プリセットは出発点。「1ハゼ後の時間」を自分の好みに合わせて調整する前提で使う。

  • 「Light」でも豆によってミディアムになった、深煎りプリセットがシティ程度で止まった、という報告がある。経験者 動画
  • 1ハゼボタンを押すタイミングがずれると、焙煎度も1〜数段ずれる。まず押す基準をそろえる。
  • 焙煎度は名前ではなく重量減少率で記録すると、豆や日が変わっても比べられる。

1回に何グラム焼くのがいい?

慣れるまでと深煎りは200〜300g。実用上の上限は400g前後。

  • 公式の範囲は200〜550g。ただ550gでは受け皿から豆があふれた例がある。公式 動画
  • 量が多いほど温まりにくく、表示温度も低めに出て、2ハゼに届きにくい。300gで1ハゼが160℃台の表示になった例も。経験者
  • 焼き直しで200gを下回るときは、公式の範囲外になるので注意。

R2の挙動

連続で焼くと、2回目以降が速く進む

本体に熱がたまるため。2回目以降用に1割ほど下げた曲線を用意する。

  • 同じ曲線で1回目15分 → 2回目12分 → 3回目10分と速くなった例がある。動画
  • 3バッチ焼いたら一度しっかり冷ます。動画
  • 本体の冷却を止めて次を焼く選択もできるが、本体が一定温度まで下がるまで待たされるという報告もある。公式 動画

同じ曲線で焼いたのに、日によって仕上がりが違う

本体の温度・室温・電源・センサーの汚れが主な原因。記録に残して切り分ける。

  • その日の何回目か(本体の熱)、室温(冬は遅く夏は速い)をメモする。一般論
  • 同じ回路で電子レンジやケトルを使うと電圧が下がり、ヒーターの力が落ちることがある。一般論
  • 温度センサーは20〜25回ごとに掃除。汚れると同じ曲線でも焼き色が濃くなっていく。経験者

R2の表示温度が、ネットの記録や他の焙煎機の数字と合わない

合わなくて普通。R2の温度は豆そのものではなく、周りの空気に近い値。

  • 1ハゼは表示で175〜185℃前後が多い(公式FAQ)。一般的な豆温度の約196℃より低く出る。公式
  • 機種どうしで温度の数字は比べられない。比べるなら音・色・重量減少率・DTR。

ドラム回転とファンは、どういうときに使えばいい?

ファンは段階ごとに上げていく「排気と微調整」。ドラム回転は基本そのまま。速いほど良いわけではない。

  • ファン:乾燥は低め(30%前後)→ 黄変〜1ハゼで少しずつ上げる → 1ハゼ後は60%以上 → 2ハゼ後は90%以上が目安。公式 経験者
  • 1ハゼ前に上昇率が速すぎるときは、火力を大きく下げる前にファンを少し上げてみる。推測
  • ドラム回転:速すぎると豆が壁に張りつき、遅すぎると底にたまる。どちらも焦げ・ムラの原因。変えるのは焦げ跡やムラが出て、窓から見て転がり方がおかしいときだけ。一般論
使いどきの表 →

焙煎中にうっかり手動ボタンを押してしまった

その回はプリセットに戻れないことがある。慌てず、直前の火力・ファンのまま音と色で終わりを決める。

  • 手動ボタンを誤って押し、プリセットに戻れなくなった場面が動画にある。動画
  • 1ハゼの後なら、狙いの焙煎度の見本豆と色を比べて手動で終了する。記録に「手動に切り替わった」と残す。推測

焼いた後・環境

焼いた豆は、いつから飲むのがいい?

深煎り3〜5日、中煎り5〜10日、浅煎り7〜14日あたりから。常温で2〜4週間が飲み頃。

  • 深煎りほど組織がすかすかで、ガスが早く抜ける。一般論
  • 味の評価も、この日数を待ってからにする。
休ませ方と保存 →

深煎りの煙で、火災警報器が鳴らないか心配

煙式の警報器が焙煎の煙で鳴った例はある。焼く場所と警報器の位置を先に確認し、換気を強くする。

  • 2ハゼ以降は煙が一気に増える。レンジフードと窓を組み合わせる。一般論
  • 深煎りは、換気しやすい時間帯や人の少ない時間に焼く。推測
安全と環境 →
REFERENCES資料

Videos

参考になる動画

自動字幕を読んで内容を確かめたものです。日本語の自動字幕は精度が低いため、要旨は意訳です。時刻をタップするとその場面から再生されます。

【焼き過ぎ警報】月間3トンのコーヒーを焙煎する男の『Sandbox Smart R2』大長編レビュー WAKO COFFEE · 日本語 · 約1時間 · 2022年5月頃
  • 18:121ハゼボタンの押しどき。メーカーに確認した話
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【悪戦苦闘】家庭用ハイエンド焙煎機『Sandbox Smart R2』をコーヒー屋が体当たりレビュー WAKO COFFEE · 日本語 · 20分 · 2022年5月4日
  • 13:41手動ボタンの誤操作でプリセットに戻れなくなる
  • 16:201ハゼを押す場面(表示192℃)
  • 18:17550gであふれ、400gに変更
  • 19:08深煎りプリセットの結果がシティ程度
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  • 2:31アドバンス曲線での深煎り焙煎、4:41試飲
Sandbox R2 review after 2 months heavy usage Simonezzi · 英語
  • 12:29煙対策。換気扇・排気ダクトの用意
  • 14:40連続焙煎で15分 → 12分 → 10分と速くなる。3回目以降は手動に
Sandbox Smart Roaster R2 400g [Review] 英語のレビューチャンネル
  • 9:211ハゼボタンで設定が切り替わり温度が急落する、という批判と、紙に時刻をメモする運用

Sources

出典

公式(Sandbox Smart)

R2ユーザー(日本語)

英語のフォーラム・販売店

焙煎の原理

生豆・焼いた後・安全